秘密

先月、主題歌をさせて頂いた映画「カフネ」が全世界初上映されました。お越しくださった方、ありがとうございました。

今更ながらこの映画「カフネ」と、主題歌“秘密”について話をしていこうかなと思いまして。

はじめ、この「カフネ」主題歌の話を持ってきてくれたのは、終日柄メンバーのe:宇宙旅行だったんだよね。終日柄に主題歌お願いしたいって言ってくれてるって聞いて、私は映画の主題歌をすることがアーティストとしての大きな夢なので、えっ?!て思ったんだけど、でも学生映画に私はあまりいいイメージが元々なくて。映画が好きな分、中途半端にはしたくないし(映画が好きじゃなくても中途半端なものは嫌い)、学生の課題、みたいなものにせっかく曲を作ってもファンのみんなに聴いて貰えなかったりするなら私は、、、って言っていたんだけど、杵村監督が、直接お話したいって言ってくれて時間を合わせて会いに来てくれて。まぁ聞くだけ聞くか、ってその時は思ったんだけど、過去の作品も良い、ストーリーも読ませてもらったけどそれも良い、コンセプトも素敵で、雰囲気も合ってるし、熱意が伝わってきて、真剣に映画に向き合っている人だってすぐわかったから、その場で依頼をお受けすることに決めました。後々聞くと、向こうのスタッフの方も、終日柄にお願いするって話を決めた時に本当に学生バンドに大丈夫?みたいな感じになってたらしい。そりゃそうだ、お互い何も知らないもんね。

やっぱり私は真剣に素敵な作品を作るために取り組んでいる人達が好きだし、その環境が好き。素敵な作品を作る人が好き。だからこの映画の主題歌、素敵なものを作らなきゃってなってた。

この映画「カフネ」は、高校生の妊娠についてのストーリーなんだけど、ただその妊娠にまつわる話、というよりは登場人物それぞれがそれぞれに、「秘密」、秘めた思いを持っていて、特に主人公の澪はなかなか自分の気持ちを誰にも伝えることが出来ない感じの子でっていう感じなの。このストーリーは、「秘密」がとてもキーになる作品だなって思って、その瞬間からもう私はこの主題歌のタイトルを「秘密」って名前にするって決めてた。
私の考える「秘密」って言うのは、隠したい嘘や偽り等の「冷たい」イメージもあれば、相手を傷つけないための「優しさ」であったり、愛するが故、守るための「温かさ」だったり、悔しさ、苦しさから逃げる為の「悲しみ」だったり、沢山のイメージがあると思う。どれも間違っていない、どれも含まれるものだと思う。
でもやっぱり「秘密」っていうのはどこをどう繋いでも、優しさがすれ違って悲しみになったり、温かさがすれ違って冷たく感じる人がいたり、思いを最善の方法で上手く言葉にすることが出来ずに生まれてしまうものだと思う。もちろん、知らない方が幸せってこともあるけど、秘密なんていつかどこからかバレてしまうしね。
そんないろ〜んな感情をギュッと詰めた歌詞になってます。これを聞いて歌詞を見るとうわぁ、、、となるよ。例えば歌詞からとりあげるといろんな秘密が隠れているんだけど、

「ズレは人の在り方故 此れはそのまま消えてくまで」は、「人と価値観がズレているのは当たり前で、貴方と違う、と思って抑えた感情(秘密)もずっと一緒にいたらそのままいつか消えていくから..」

という意味だったり、その後の

「光は影があるから花 期待はそっと佇んでいる」は、「言葉でも、光は影があるから目立っていて、愛の為に期待することを隠しているつもりだけれど、光の傍にそっとあって、なんだかんだ口にしなくても(秘密)影として、期待が常に存在している」

という意味だったり。

映画を見た人からすると、この曲本当にピッタリ過ぎて泣いちゃうんだよなぁ。曲の抑揚も。私はとても「カフネ」に合ういい曲が、いい作品が作れたと思ってる!満足満足🎶

いっぱい映画主題歌したいな〜。
見てくれてありがとう