あの時から何も変わってないね、私たち

あの時から何も変わってないね、私たち
良くも悪くもずっと
あの日に取り残されている
蝉が泣くのを辞める時
私たちの時間が長くなる
風が当たって、なんとなく俯く

あの時から何も変わってないね、私たち
同じ方向を向いていて
少しだけ、憂いを纏って
笑っているんだ
多分ずっと隣だなんて
そんなことないって分かっていたのに

あの時から何も変わってないね、私たち
恋なんかに書けない愛を
破れかけた袋に入れて
一緒に端を掴んで
振り回しながら歩いたりして
不安だったんだ
君が、手を離してしまわないか

あの時から何も変わってないね、私たち
何も変わらないでいたからきっと
ここに辿りついているし
ここに辿り着いたから、離す時が来たんだ

きっと私たちはこれでいい
なんて言って理由をつけて
2人で一緒に手を離したんだ
ここまで傷を付けてきたのに
一度も破れなかった袋が
私たちの愛をそこでなんとなく留めて
水溜まりみたいに、
溢れずにずっとそこにある

明日になったらきっと前を向いて
晴れた空がそれを乾かしてしまったりして
多分もう綺麗さっぱり消えてしまうよ
大丈夫
この跡は消えないから
もう振り向かないで前を向いて
変わらないでいたらいいんだ、私たち
愛がそのまま、枯れてしまわないように