ai wa mienai

見えない
目が悪くもなく
明るさもある
でもそれは見えない

見えない
ただ温かく
味はしない、と思う、食べたことは無い
でもきっと、甘いのだろう

見えない
でもそれはきっと
私にはこの世界にたったひとつしか無く
果てるまでに辿り着きたいと思う

見えなくても
ただなんとなく溺れる
快楽と情を勘違いしたりして
見えないものを見つける

ただ手を伸ばす

掴めない

掴むのではなくきっと
包むのである

ただ隣にあるのに
私は気づかないでいた

見えない
苦しみを掬っていたのに
嗚呼、それは感情か
救いなのか。

この大きな見えないものは
私にだけ充てられているのか
ただ誰にでも平等に充てられるのか
それもまた見えない

見えないから
見ようとする
見えないものに
手を伸ばす
いつまでもこれは伝わない

と思っていた

節目

金属のそれが、別つ

文面を通し、
名を同じくする

伝う

そう感じる

ただその紙切れでも
纏う空気が変わる

そんな気がする

その見えないものに
伸ばしていた手を
邪魔していた障害が
一気に去っていく

そしてやっと見える

のかもしれない

でもきっといつまでもそれは

見えないままであるから

手を伸ばし続けられるのだ


愛は、見えない