ロックが歌えない


私は、曲を最後まで聴くのが苦手。
曲って言っても歌のある物に限るけれど、最近のロックは同じようなフレーズがAとかBとか分けられて、同じものを聞かなければならない。仮にそのメロディに一度聞いて一目惚れしてしまっても、続き(2番)を聴けない。だって、せっかく気に入ったそのメロディが、繰り返されることで、飽き性な私は飽きてしまうから。どれだけいいメロディが繰り返されても、それは何度も聴くうちに聴けなくなってしまうのが勿体無い気がする。
私は、カラオケにいくと、大抵1番しか歌えない。なぜなら曲を最後まで聴かないから。酷い時はサビしか歌えないとか、A、Bメロしか歌えないこともある(その部分だけを気に入った、とかの理由)。だから1人で誰にも聴かれず好きなように歌うのが好き。
私は、寂しさを紛らわすために聴く歌詞が沁みる、とずっと自分自身思い込んでいたのだが、そうでは無いな、と最近気づいた。歌詞が好きなのではなく、寂しさに寄り添うようなそのメロディが好きなのだと。そうなってくると私は別に、音楽に詩を必要としていないと思った。小説や文章はすごく好きだけれど、音楽に無理やり詩を載せる必要はない。シンプルで心地よい音色が響いていれば私は心安らいでいると思う、恐らく。
私は、ロックを聞いて感動したことがない。むしろオーケストラの演奏や小さなアンサンブルの演奏を聴きに行った時の方が感動していろいろな物が込み上げてきている感覚になるし、1人でコンサートに行った時は泣いてしまう。もちろんこれは秘密だから、こっそりと、爆音に合わせて鼻をすすっている。幼い頃から親が音楽をしていた影響でクラシックやジャズ音楽をよく聞いていたし、自分自身ピアノや木琴をしていたり、管弦楽に入っていたりで歌のないものの方が身近にあった気がするから、それが影響しているのだろうか。
クラシックやジャズを聴いて、自分が何に感動しているのか、それらをきいて何を感じているのか自分でもさっぱり分からないが、ロックを聞いている時よりも遥かに心が踊ってているし、心が苦しい時はピアノの音色や、心地の良い弦楽器の響きを聴きたくなる。雨の日に窓を開けて、クラシックを聴きながら本を読んだり、コーヒーを挽いたりしているのが、私の幸せな時間だなと思う。それらを考えた時に私はふと思った、今の私はロックに何故拘ってしがみついているのか。万人受けや、周りに流されたりしているのでは無いか。私にも分からない、永遠の謎かもしれない、正解はないし、間違いもない。難しい議題だと思った。